S2000のスピードメーターは高い。でも早く作業をしたかったので、ヤフオクに「動作確認していないためジャンク扱い」で出品されていたスピードメーターを落札。結局落札額はジャンク品の値段では収まらず、2万越えの普通のお値段にσ(^_^;)
手元に届いて電源を供給してみると、電源が入らない…
電源の接続に問題があるのかと調べてみたけど問題なさそう。
とりあえずカバーを外して導通チェック。
ヒューズが飛んでイヤがった!
ネットで調べると、これは定番の故障のようだ。
ヤフオクのプチ闇を見た…
気を取り直して、ヒューズの足を短絡し、電源投入。無事に電源が入った。
さて、改造する前にテスト環境を整備する。電源は転がっていた無線LANの12Vアダプタ。容量が足りてなくてメーターが暗いが気にしない。
次に、300km/hの確認をするため、擬似的に車速信号を生成する発振器が必要だ。実車に取り付けても300km/h出ないしねw
海外の整備書を見る限り、車速信号は5Vのパルス信号となっている。車速信号の端子をテスターで測ってみると5V立っている。どうやら車速センサーはこれをGNDに落としてパルスを生成するようだ。
自由にパルスを生成したかったので、発振源にiphone5sでOSCアプリを使い、その音声信号をコンパレータに繋ぎ、出力をトランジスタに入れてオープンドレイン(オープンコレクタ)の出力で車速信号端子をGNDに引っ張ってパルスを発生させる。
準備は整った。
180km/hで車速表示が止まる確認をした。
確かに180km/hで止まった。
ここから本番、改造を始める。EEPROMを取り外し、テスト用のEEPROMを実装出来るようにICソケットを制御基板に半田付けした。
そして、海外サイトで見つけたEU仕向け改USA仕様のEEPROMデータのバイナリファイルを作成し、書き込み、スピードメーターに取り付け。
電源ON!
走行距離が表示されず…
これは前途多難だなσ(^_^;)
しかし、km/hとmph表示の切り替えは動いた。
試しに車速信号を入力してみると、車速は0km/hを表示し続けた。
改めてEEPROMの書き込みに使ったpickit2の画面をよく見ると、作ったデータの上位バイトと下位バイトが逆転していた。1wordが16bitなのでそういうトラブルは有りがちだ。
データを再作成し、書き込んだところ無事に走行距離が表示された。
再度動作確認
- mph km/hの切替OK
- 車速表示NG
どうやらEEPROMのデータに信頼性が無いと判断され、車速表示がされないようだ。
そこで、データをEU仕向けに修正した。そのデータはEU仕向けのメーターからEEPROMをDUMPした生のデータと同じなので、少なくともEU仕様として動作するはずだ。
動作確認
- mph km/hの切替可能
- 車速表示NG
ん?なんで?
とにかく私のJP仕向けのスピードメーターにネットで拾ったEU仕向けのEEPROMデータは使えないということだ。仕向けごとにソフトまたはハードが違うのだろうか?またはスピードメーターの仕向け情報のエリアは移動するのか?
とりあえずわかったこと。
EEPROMデータに信頼性がないとmph表示禁止が解除される。
そして車速が0固定になる。
ちなみにこの時、走行距離のカウントは正常に加算表示されていく。
これは困った。完全に自分で解析する羽目になってしまった。
ここからはスピードメーターに実装されていたEEPROMのデータをDUMPし、それをベースに解析することにした。
車速信号を入力し、走行距離を増やしてDUMP。TRIPをリセットしてDUMPなどなど。
走行距離で変動するエリアはわかってきたが、結局変化のないエリアも結構な容量で、全パターン試す事は出来ない。
あとは空気を読んで想像を膨らませ、最後はスピードメーターの気持ちになったら解ってきた。
いくつか試した結果、以下のモードを発見。
- JP(ノーマル)
- JP(105km/hから警告音)
- US(標準km/hでmph切替可能)
- US(標準mphでkm/h切替可能)
EU仕向けがまだわからないけど、US仕向けがわかった。
これがフルスケールメーターじゃ!目的は達成だ。しかし、上記2の昭和仕様はウケたw
mph表示では190mphが最高表示となる。
今回の実験の発端になったEUのメーターを改造してmph表示出来るようにするという海外サイトのネタだか、そこに書かれていたデータ変更の値は誤りだと推測する。mph表示できたのは上記の「EEPROMデータに信頼性がないとmph表示禁止が解除される」によるものだろう。
しかし、私に2万越えの壊れたスピードメーターを買わせた挙句、解析までさせるとは。完全に踊らされたな〜
時間とお金を使ったので、S2000のメーター改造専門店でも始めようかな。
コメント
すみません、ご存知でしたら教えていただきたいことがありましてコメント欄をお借りします。ソフトトップコントローラから速度信号を取ると若干速い速度を取り出すことになってしまうのですが(自分調べでは誤差は5%増と思います)、メータクラスターには外部スピードメータで利用できる速度パルスは入っているのでしょうか?それともソフトトップコントローラのちょっと速いパルスが、またはCPUと同じく特殊なパルスが入っているのでしょうか?targetというショップのSPC-Aというやつで補正しようとしていて右往左往しております。
コメントありがとうございます。
S2000の車速パルスは106パルスとかなり周波が高い仕様になっています。ソフトトップ用の車速パルスは一般的なパルス信号(4パルスだったかな?)に変換されていますが、私はズレがあるというのは聞いたことありませんでした。
約5%のズレですが、純正メーターと社外メーターの表示の違いがあるということでしょうか?
CL7アコードの例ですが、100km/h走行時で純正メーターは105km/hくらいを示します。S2000はそこまで差がなかった記憶ですが、純正メーターはスピード違反防止のためか?実際より速い速度を表示する傾向があると思っています。
なお、スマホにGPSの速度計測アプリを入れて100km/h巡行すればそこそこ精度の良い速度を示します。これと比較すれば純正スピードメーターの誤差を確認することができます。
ファイナルギアやリアタイヤ外径の変更がある場合はパルス補正を検討するべきですが、特に変更していないのであれば不要と思います。
私はS2000にpivotのSML-Vを使っていますが、パルス数の指定が出来るので、ECUの車速信号線に接続して106に設定して使っています。
返信ありがとうございます。(ktechの感想はまだですか?)
純正メータが100km/hの時にソフトトップコントローラから取った4パルスで社外メータを接続すると105くらいが表示されます。実際の速度・GPS速度とは比較したことがないです。自分の使っているのは永井のVSDですが、みんカラで訊いたところ他社(忘れてしまいました)の速度表示する製品でも同じ事例があるようです。ソフトトップをゼロの誤差範囲で稼働させたくないのだろうと想像しています。速度超過を引きおこしにくい方向なので、デジタル表示が目の前に二つあってちょっとだけ異なるのが修正できればなあ…ってだけなんです。cpuから106パルスを取ってSPC-Aに食わせて修正できるか試してみようかなあ…。その前に計算してみますかね。
Kuresuさん

気になったのでソフトトップコントローラーの車速パルスをテスターの周波数カウンタで確認してみました。
純正スピードメーターとの差はほぼ無く問題は確認できませんでした。永井のメーターとの相性問題とかですかね?謎です。
K-TECHエンジンは問題なく動いてます(^^)
そのうち軽くレビューしたいと思います。
わざわざありがとうございます。前につけていた他の車種では純正と変わらなかったのでVSDを信用してました。(ソフトトップへの4パルスは同症状の人がいたのが誤解でなければ100系では正常という可能性もありますね)。
その後、SPC-Aは期待通りの動作をしまして5%減で街乗りでほぼ丁度になりました。時々プラス2でなんでや!!ってなってますが前よりはマシ。リミッターカットのユニットから分けた電源が良くなかったようです。普通にECUのとこから12Vを取ったはずなのになあ。大変お騒がせしました